2011年7月25日月曜日

Red Seeds Profile

販売形式:国内パッケージ
ジャンル:アクション アドベンチャー 箱庭
マルチプレイ:なし
備考:特記なし

<概要>
平和な田舎町グリーンベイルで、若い女性が樹木に磔にされたような遺体で発見される事件が起きた。FBIのエージェント、フランシス・ヨーク・モーガンがその調査のために現地へ向かうが、彼はその途中で、森の中を徘徊する亡霊のような無数の影に襲われる…。国産ゲームでは珍しい完全箱庭型のアクションアドベンチャーゲーム。

<システム>
時間の流れから村人の営みまでが再現されたグリーンベイルで、主人公ヨークを操って事件の捜査を行なう。とはいえ、基本的にメインの捜査は「特定の場所に特定の時間に行く」ことで勝手に進んでいくので、自分で捜査を進めるアドベンチャーゲームというよりは、物語性の強調されたアクションゲームに近い。核心に近付く場面では「常世」と呼ばれる異世界に入り込み、群がってくる亡霊のような何かとの戦闘を繰り広げることとなる。主人公の操作はバイオハザードのそれに近い。

<プレイ所感>
作り手がやりたいことを頑張って体現したけど、技術力が致命的に足りていなかったという残念な作品。「レビューでは悲惨な結果だったけど、実際にやれば物語やキャラの魅力で夢中になれる作品」と擁護されているのを何度か見ましたけど、レビュアーの立場として本作を評価したら、やはり「惜しい作品なんだ」と強調しつつも酷評せざるをえないと思います。基本コンセプトと物語(キャラ含む)が9/10点、グラフィックと操作性が2/10点、それ以外が4/10点、みたいなゲームと思ってもらえれば。

どこがダメかの前にどこがいいか書いておきます。
まず基本コンセプト。生きた田舎町を丸ごと作り込んだ箱庭ゲームに挑んだ純国産ゲームというのは、志としては非常に高く評価されるべきと思います。実際、村人たちがきちんと個々の生活を生きていて、自宅にいる姿を捜査の一環として覗き見たりもできるというのは、海外の箱庭ゲームでもかなり珍しいと言えます(そのせいでサイドミッションの発生時間に縛りがあったりという難点もありますが)。このお陰で、もともと結構魅力的に作られた登場人物たちの存在感が強まっているのも事実。
次に物語。「ツインピークスの亜流」的な印象はあるものの、ゲームではしばしば軽視される登場人物の深みなどもしっかり考慮されていて、物語的な完成度はかなり高いです。短めの海外ドラマか何かとして作り直したら、結構いい線いくんじゃないかという気もするくらい。海外ドラマに似つかわしくない豪鬼みたいなのと鳥山明デザインみたいなのが途中で出たような気もしますが、あれはプレイヤーが赤い種に見せられた幻覚ということで、シレッとデザイン変えてやればよろしい。

で、ダメな部分。これはあまり書きすぎるとイジメみたいになるので、どうしても書きたい部分のみ書きます。
まず主人公の操作性があまりにも酷い。操作性の悪い箱庭ゲーといえば大ロックスター社のアレやコレやが真っ先に出てきますが、それらが見た目のリアルさを追求するあまりそうなっちゃってるのに対し、本作は単純に初代バイオハザードの時代で時が止まってる感じ。LRキーでサイドステップとか、RTで銃を構えてAで射撃とか、何年ぶりにやっただろう。この点に関しては、お手本となりうる数々の作品が存在している状況下でこうしちゃったわけで、ガラパゴスもええかげんにせいよと。
次にグラフィック。こればっかりは純粋に技術と手数の問題なんで、これで製作者を責めるのは可哀相なんですが、プレステ2の水準に及ぶか及ばないかっていうレベルなのはさすがにどうかなぁ、と思うわけですよ。全体的に白っぽく浮いた映像に違和感があったりとか、キャラクタがいちいち面白いモーションで動いてるのでホラーな雰囲気が台無しだったりとか(エンドロールで本作にモーションキャプチャ使ってると知ってビックリ)、単に技術的なレベルで説明が付かない部分の粗が見えまくるのも気になります。レインコートキラーのシーンでのスプリットスクリーンみたいに、本作ならではのいい演出もあることはあるんですけどね。あと、いろいろ雑なグラフィックのくせに、ヒロインの造形だけは異様に整ってるあたり、実に日本的な感じがします。
最後に、全体的にゲームバランスが悪い。最弱の拳銃以外は概ね銃弾が限られてるのゴチゴチの敵が次から次へと無限湧きしたりとか、失敗したらやり直しのQTEが妙にシビアだったりとか(特にスティックガチャガチャさせ続けるQTEはコントローラー傷むからやめてほしい)、対処法分かったら全然強くないのにひたすら面倒な敵とか。銃弾はサイドミッションで弾数無限の銃が手に入るんで、それ使えってことなんでしょうけど、それでガリガリ撃ってると今度は「俺、何やってるんだろう」って気分になってきます。もっと真面目にバランス調整してください。

と、そんな感じでいろいろ残念なゲームなわけですが、変に印象に残る作品ではあったことは事実。実際、レビューで決めつけずに自分でやってみて良かったと思っていますし。本作のプランナーとシナリオライターは、次回は海外のゲームスタジオと組んでやってほしいと心底思っております。

2011年7月23日土曜日

50 Cent: Blood on the Sand

販売形式:国内パッケージ
ジャンル:F/TPS バカゲー
マルチプレイ:オンラインCOOP
備考:タレントゲーム

<概要>
オレの名前は50cent、通称「バレットプルーフ(防弾仕様)」だ。今日は身の程知らずのバカが、俺のせしめたエモノを持ってトンズラしやがったんで、そいつをシメに行くことになっちまった。なぁに武器なら山ほどあるし、オレは無敵だからな。とっとと片づけて次のギグに間に合わせるぜ。(※内容はうろ覚えの上にかなりテキトーです)

<システム>
任意発動型のスローモーを搭載した撃ちまくり系TPS。ストーリーを追っていく形になっているが、ストーリー自体は添え物程度の存在の上、敵の倒し方やオブジェクトの壊し方によって得点が変わってくる仕様であり、繰り返しプレイでスコアアタックを行うことが重視されている。

<プレイ所感>
※360SNSで書いたものに一部加筆修正を行ったものです。

50cent:本名カーティス・ジェームズ・ジャクソン三世。劣悪な生い立ちから音楽の基礎をロクに知らないまま音楽業界に打って出た異端児であり、50セントで殺人を請け負ったという伝説の殺し屋の通称から「50cent」を名乗る。また、発砲事件に巻き込まれ9発の銃弾を受けるも生存したという経歴から「バレットプルーフ」の異名を持つ。

という北米版の中二病患者が喜びそうな人気ラッパーを主題にしたTPS。ゲームの方も「中二病患者向けというより本人が中二病なんじゃないか」と思わざるをえない「俺様最強ゲーム」なわけですが、ゲームキャラの50centが見せる険しい表情とは裏腹に、特典のミュージックビデオで見せる笑顔は妙に爽やかだったりして、油断するとプチファンになってしまいそうで怖いです。まあ、ヒップホップは好みと違うので大丈夫だと思いますが。
同じくゲームに単身登場してた布袋寅泰は、ゲームの中ではいい人そのもの(というか優しすぎて不気味)だったのがミュージックビデオでは悪党にしか見えなかったので、ちょうどアレの逆バージョンですな。布袋ファンの人すまん。

で、肝心のTPSとしての評価。The Clubの焼き直しなのは分かってますし、The Clubも大好きな作品なんですが、敢えて言わせていただくと、私にはこっちの方がThe Clubより合ってるようです。何がいいって、The Clubみたいに四六時中時間に追われてないのがいい。どうも私はじっくりコトを進めるタイプのようで、ゲーム中に時間に追われ続けるのってちょっと苦手なんですわ。

カバーの融通が利かなかったり、稀に主人公モデルが邪魔でエイム先が見えなかったりという細かい粗は、敵を連続キルして「Yo, mother f*cker!」とか煽りまくってるとどうでも良くなってくるんで無問題(敵を倒してから煽ると得点倍率が上がる仕様)。ゲージ消費でスロー効果を発動できて、これがThe Club的なコンボキル&ヘッドショットキル万歳なゲーム性とマッチしているあたりも好印象です。

「全ステージでゴールドメダルを取る」の実績解除を目指すとハード難度必須で、この難度だと50centさん全然バレットプルーフじゃないですが、たぶん本物はもっとバレットプルーフじゃないので別にいいです。

マルチプレイはオンライン専用(分割なし)なのが残念ですが、許可しておけばプレイ中にいつでもジャンプイン可能な形式なので、いちいちマッチングして相手決めて、みたいな煩わしさはありません。こういうプレーヤーが少なそうなゲームでは、こういうのは非常にありがたい。

それにしても、これを日本に持ってきたベセスダはどうかしてr凄いと思います。
日本版出たというのに海外版買ってしまって申し訳ない。

2011年7月22日金曜日

Risen

販売形式:海外パッケージ
ジャンル:RPG 箱庭
マルチプレイ:なし
備考:特記なし

<概要>
突如出現した謎の遺跡と怪物により混迷を極める火山島ファランガ。その沖である日一隻の船が沈んだ。偶然にも傷一つ負わずにファランガに漂着した主人公は、遺跡の謎を巡る闘争に巻き込まれていく…。PC向けアクションRPGの傑作Gothicシリーズの血脈を継いだ箱庭型アクションRPG作品。

<システム>
基本的にはオーソドックスな三人称視点ARPGであり、敵との戦闘やクエストの達成などで経験値を得て主人公を成長させ、遺跡の探索や謎の解明を行っていく。最初はただの一般人である主人公だが、プレイ初期にとった行動に応じて山族や僧兵といったクラスを与えられ、またその選択によりメインの物語もある程度変化するのが特徴。

<プレイ所感>
非常に完成度の高い箱庭型アクションRPGです。最初の主人公は本当に「普通の人」なので、ただの動物ですら脅威であり、まずは頼れるものを探すために命懸けで探検する必要があるあたりが非常にリアル(上の動画で戦っている巨大な蛾のような生き物は、あれでも最弱モンスターの1つです)。普通のARPG感覚で棒切れ片手にノームの群れに喧嘩をふっかけてボッコボコにやられるというのは、恐らくこのゲームを初めて遊ぶ人が最初に受ける洗礼。

本作は小さな火山島が舞台となっており、冒険の規模自体は同種のゲームと比較しても小さめの印象です。しかしながら、プレイヤーの選択が島の情勢を左右したり、クエストの内容が島内の社会や経済の流れを反映していたりなど、箱庭としての作り込みは最高クラスです。また、個々の敵が強いことや、一度倒した敵は復活しないこともあって、探索がただの探索というよりは「開拓」に近く、成長の末に強力な門番的な怪物を倒して新しい場所に入れた時の満足感が大きいです(ただし、中にいる敵も門番と同等以上の強さであることが多いので、ぬか喜びは禁物ですが)。


本作の長所と短所をまとめて書くと、
短所
・チュートリアルが乏しくややこしい
・操作が独特。特にカメラ操作の感度が高すぎるのは気になる
・キャラメイクがない
・字幕の文字がめちゃくちゃ小さい(しかも当然英語)

長所
・探索に緊張感と達成感があって楽しい
・世界がちゃんと生きている
・戦闘が本格的

なお、このタイプのゲームでは珍しく、持ち物の所持制限がないようです(少なくとも、私のプレイでは上限らしきものに当たらなかった)。つまり、手に入るものは何でも持っていけばいい、というスタンス。拾得物の中には明確に「売ったらいいお金になるよ」って説明が書かれてるのもあって、そういうのはとっとと売ってしまえばいいですが、わりとどーでもよさそうなものに後々特定の用途が発生したりもするので、金銭云々と書かれてないものは持っておいた方がいいです。

ということで、元々そういう傾向の強い海外RPGの中でも、特に「冒険してる」感や「成長してる」感が強い作品ですので、海外RPGらしい作品を遊んでみたい人にはかなりオススメの作品です。あと、どーでもいいけどRisenの読みは「ライズン」ではなく「リズン」ですのでお間違えなきよう。

2011年7月21日木曜日

Saw

販売形式:海外パッケージ
ジャンル:アクション パズル/テーブル アドベンチャー グロゲー
マルチプレイ:なし
備考:版権ゲーム
※動画はゲーム序盤のネタバレなので注意

<概要>
探偵のタップが目を覚ますと、見知らぬ部屋に連れ込まれ顔に時限トラップを着けられた状態であった。ジグソウの「ゲーム」に巻き込まれたのだ。理不尽な罠を生き延びるため、タップはジグソウの課題に挑み始める…。

<システム>
三人称視点でタップを操ってジグソウの迷宮(廃虚)を探索し、随所に仕掛けられた罠やパズルで死なないよう、他の参加者に殺されないように先に進んでいくアクションアドベンチャーゲーム。

<プレイ所感>
※360SNSで書いたものに一部加筆修正を行ったものです。

さて、「どこまで同じネタで引っ張るねん」でお馴染みのSAWです。
本作は、例によって「ジグソウに目を付けられちゃった『人生の浪費者』」である探偵さんが主人公で、罠だらけの建物に放り込まれて脱出を目指すというゲーム。見た目とか雰囲気はサイレントヒルによく似てて、あれの超常現象が全部変態の仕掛けた罠や一緒に放り込まれた人間に置き換わったようなものです。

そこかしこに一発死亡のトラップがかけられてたり、ガラス片が撒き散らされてたりするので、何もないように見える通路を歩いていくだけでも結構慎重にならんといけないというのがなかなか斬新。光の加減で通路がキラキラしてたら要注意です。で、トラップ部屋に入ったら入ったで大抵は時間制限付きのパズルになってるので、なかなかダレさせてもらえません。ただ、戦闘は概して楽です。相手がいい武器持ってても、一番素早い素手攻撃で簡単に怯んでくれるので、そんなに怖くない。場所によっては罠をかけて一撃必殺なんてのもできますし。

グロ描写に関しては、「主人公が失敗しない限りはそんなにグロくない」と書いておきましょう(逆に、失敗するとえらいことになりそうなのがチラホラ)。まあ、失敗しなくてもところどころに凄い状態の死体があったりはしますんで、グロ耐性のない人はやめといた方がいいかも。あと、映画同様にそこかしこで「圧迫」されるので、プレッシャーに弱い人はやってて辛いと思います。

難点として、ちょっと看過できないレベルで画面のテアリング(フレームレートと画面描き換えが同期されず画面に段差が見える現象)が発生しますが、ゲーム的にはなかなかにオリジナリティもありますし、雰囲気もいいので、映画版のファンはもちろん、純粋なホラーゲー好きにも一度触れてもらいたい作品です。

あとどうでもいいけどパッケージがすげー怖い。魔除けになるレベル。

Brütal Legend

販売形式:海外パッケージ
ジャンル:アクション ストラテジー 箱庭 その他(メタル)
マルチプレイ:オンライン対戦
備考:特記なし

<概要>
「もうメタルの時代ではない。」近年の音楽界に馴染めず裏方に甘んじているメタル・ギタリストのエディが、ステージの事故で異世界に飛ばされる。そこはメタルの法則が世界を支配するヘヴィ・メタル・ワールドだった…。ジャック・ブラックやロブ・ハルフォードといった豪華キャストを迎えてひっそりと発売された、知る人ぞ知るカルト超大作。

<システム>
基本は箱庭探索型のアクションゲームだが、随所に入るステージバトルでは、ヘッドバンガー(頭突きで攻撃)やローディー(背負ったスピーカーの爆音で攻撃)などのユニットを率いたRTSになる。
オンライン対戦はこのステージバトルでの対戦となる。

<プレイ所感>
※360SNSで書いたものに一部加筆修正を行ったものです。

メタルなあんちゃんがメタルな世界に召喚され、メタルな仲間とともにメタルな敵を相手にメタルなBGMに乗って大暴れ、というメタル愛に充ち満ちた逸品。作り手の愛情を感じるというかどう考えてもやりすぎ。ゲーム自体は敵が少なめの箱庭無双+時々RTSという感じで、箱庭シーンがマッタリしてる反面、RTS含みの戦闘は大忙しという、なんだか抑揚の激しいゲーム性です。RTS独自のもどかしさが人を選ぶ気がしないでもないですが、戦術さえ理解すれば難しいゲームではありません。


このゲームで特筆すべきは、上記の「メタルな世界」の作り込みですね。私は弟がメタラーな関係上、洋楽の中ではメタルに比較的馴染みが深いんですが、CDジャケットやら何やらで見た必要以上に大スケールなダークファンタジー的彫像やら、「最大音量で世界を吹っ飛ばせ」を地でいくオブジェやら、メタルが大好きなんだか茶化してるんだかよくわからないものが多数登場します。BGMももちろんメタル満載で、メガデスやらブラックサバスやらマノウォーやらの有名どころが名を連ねているほか、ゲーマー的見どころとして、ギターヒーロー3で一躍有名になったドラゴンフォースのThrough The Fire And Flamesなんかもあります(結構印象的なシーンで使われてる)。もうとにかくメタルの満漢全席。

システムが若干複雑(RTSだし)なのと、ストーリーに占めるセリフの比重が高いことが、英語版ソフトしか存在しない状況では弱点ですかね。BURRN!あたりの監修を入れつつ日本語版作ったら、日本のメタル好きには最高の作品になると思うんですが、絶対売れないので却下ですな。

2011年7月20日水曜日

Dream Chronicles

販売形式:XBLA
ジャンル:アドベンチャー 雰囲気ゲー
マルチプレイ:オンラインCOOP
備考:配信終了

<概要>
夢から覚めたら夫が失踪していた。妻のフェイは、日常の風景のようで違う奇妙な世界へ、夫を探す旅に出る。

<システム>
カーソルを使って画面内のオブジェクトをクリックして謎解きをしていく、ポイント&クリック型のアドベンチャーゲーム。各ステージに固有の謎解きが設定されており、それをクリアすると先に進むことができる。

<プレイ所感>
微妙に名前が似てますが、ピュアな紳士の社交場とはあまり関係ないです。

とりあえず、すっごい地味。いわゆる「カジュアルゲーム」ってやつですな。画面内の随所に必要なオブジェクトが隠されているのを探し、それを正しい場所に配置する、の繰り返しが基本的進行で、しかも物語も非常に曖昧なので、アドベンチャーゲームというよりはパズル系ミニゲーム集に近い印象。ヒントを露骨にしたMYSTとウォーリーを探せを悪魔合成したようなゲーム性と言ったら、比較的イメージしやすいでしょうか。謎解きは知育ソフト的で少々簡単すぎる気もしますが、終盤になるとちゃんと考えないとダメなものも登場しますし、不思議世界が好きな人やマッタリと謎解きをしたい人は、最後まで結構楽しく遊べると思います。

と、そんなマッタリゲームなんですが、これが実績解除を目指すとえらいことになります。本作には25分以内に全ステージクリアしろという実績が存在しているんですが、これは全ての謎を覚えているのは大前提として、華麗なカーソル捌きで素早くクリックしていかないと間に合わないレベルの早さ。さらに、高得点を叩き出してクリアしろという実績もあって、これは早解きに加えて、各ステージに隠された宝石(すっごい小さい)を片っ端から集める必要があります。もはや世界観に浸ってる暇などなく、鬼の効率厨と化さないとダメ。誰だこんなゲームの性質と正反対の実績考えた奴は。

ということで、そういう何だかよくわからんゲームなわけですが、本作は残念ながらパブリッシャーであるハドソンのお家事情に従って、既にマーケットプレースから撤去されてしまっています。幸いにしてPC版は普通に配信されている(続編も複数ある)ので、興味のある方はPC版をやってみるといいのではないかと思います。

2011年7月19日火曜日

Boulder Dash XL

販売形式:XBLA(NAIJ)
ジャンル:アクション パズル/テーブル その他(おっさんホイホイ)
マルチプレイ:なし
備考:レトロゲー

<概要>
採掘ロボットを操作して、岩や敵に倒されないようにダイヤを回収して脱出せよ。80年代に一世を風靡した名作穴掘りゲー、バルダーダッシュのHDリメイク。

<システム>
各ステージごとに決められた個数のダイヤを集めると扉が開くので、そこに時間内に飛び込めばステージクリア、という80年代らしい明快なシステム。通常のHD版のほか、全てのダイヤを回収しなければいけないパズルモードや、旧作っぽい画面&旧作のシステム(ダイヤに潰されても死ぬなど微妙に違う)で遊べるレトロモードが収録されている。

<プレイ所感>
まずは、当時あちこちで記事を読んだりしてたのに、遊ぶ機会は一度も得られなかったバルダーダッシュを実際に遊べて感無量。実際に遊ぶと、本作が広く支持されたことにも納得がいきます。そして、昔「この並びの岩が、どうやったら最終的にこういう形になるんだろう」とずっと謎だった岩の挙動も、実際にやってみて納得しました。これ、岩・ダイヤ・滑る壁の上にある岩・ダイヤは、斜め下が空いてると横滑りして落ちてくるんですね。この挙動は、リアル世界ではそう不思議でもないですが、多くの類似ゲームで「岩は真下に落ちるもの」と刷り込まれてる人間にはなかなか体得するのが難しく、最初は事故死しまくります。というか、慣れても事故死しまくります。言うなればバルダーダッシュとは事故死するゲーム。

えー、このゲーム、見た目は結構ショボいです。主人公のロボットも中途半端に人間っぽい顔で正直キモい上、事故死すると「ズゴーン!」というすごい音で爆発して心臓に悪い。しかし、妙なスピード感とトリップ感と納得感(事故死は全て不注意が原因で理不尽さがない)のあるゲーム性のおかげで、なかなか中毒性のある仕上がりになっています。

レトロモードはオマケという位置づけですが、こっちは落ちてくるダイヤに殺されたりもするので、緊張感はHD版以上。なお、レトロモードといっても旧作完全再現ではなく、なんか微妙に立体感があったり音は新しかったりです。難度はやや高めの印象ですが、面数があまりないので結構あっという間に終わります。パズルモードはもっとオマケで、難しくて詰まるのは終盤の数面くらいでしょうか。

ということで、昔バルダーダッシュにハマったおっさん世代も、やったことはないけど知ってるおっさん世代も、もちろん若い人も、これはとりあえずやってみるべし。岩の挙動を理解できさえすればハマる可能性大です。

Warhammer 40000: Kill Team

販売形式:XBLA(NAIJ)
ジャンル:アクション DS-STG
マルチプレイ:オフラインCOOP
備考:シリーズ作品(Warhammerシリーズ)


<概要>
TRPGに端を発するWarhammerシリーズの関連作品で、ファンタジーとSFが混じった世界観が特徴。本作ではプレイヤーは突撃部隊の一員として、敵の巨大宇宙船内での破壊工作を行うこととなる。近日発売予定のWarhammer 40000: Space Marineのプロモーション的な意味もあるようで、本作で遊ぶことでSpace Marineの要素アンロックが可能。

<システム>
クオータービュー視点のアクション/DS-STGで、見た目的にはハクスラ系のような印象を受けるが、恒久的なアイテム回収の要素はなく、敵を倒していくことにより解除される武器やパークが、本作における唯一の成長要素となっている。プレイヤーは4種から選択が可能。

<プレイ所感>
プレイして真っ先に感じるのは、本作が非常に見た目にこだわって作られているということ。野蛮なオークが作ったらこうなるであろう、と思わされる荒々しい宇宙船(本作の舞台)が精細に表現されていて、随所に入る演出も非常に本格的なものになっています。

一方、ゲーム自体は比較的シンプル。指示に従って進むと敵がワラワラと登場するので、射撃と近接攻撃と特殊能力を使い分けつつ薙ぎ倒していくというのが基本となります。敵が結構まとまって出るので、ちょっと無双の亜流っぽい感じも。ただし、単調にならないようにシチュエーションは様々なものが用意されていることや、随所にイベント的な戦闘が用意されていることが、先に書いた演出効果と相まって、退屈な感じはありません(イベント戦自体が少々間延びしているなどの問題はあるけど)。

ちょっと気になるところとしては、射撃系の敵が「プレイヤーのコントローラー操作を読んで撃つ」という嫌らしい撃ち方をする上に敵弾がそこそこ速いので、敵弾を避けるには、大きく避けるでも敵弾を見て避けるでもなく、小さく小刻みに動いて敵弾を散らすのが最善なんですね。正直、ちゃんと避けて撃ちたいシューター的にはこれは結構不満。わけもわからず喰らってたりするし。また、リソースを映像などに大きく割いてしまった弊害かもしれませんが、いまどきオンラインプレイ非対応のCOOPというのも意味不明です。ゲーマーにリアル友達がいるという偏見には猛省を促したい。

と、問題点もある本作ですが、無数の敵を近接攻撃や自動タレット(遠隔系キャラのテックマリンが使う特殊攻撃。めっちゃくちゃ頼もしい)で一網打尽にするのはなかなか爽快で、パッケージ作品の前哨戦としては十分にリーズナブルなんじゃないでしょうか。全5面(各面はそこそこ長く、普通に30分くらいはかかる)というボリュームも、XBLAとしては妥当かな、と。少なくとも試してみる価値は十分にあります。