2011年8月5日金曜日

Bastion

販売形式:XBLA
ジャンル:アクション RPG 雰囲気ゲー
マルチプレイ:なし
備考:特記なし

<概要>
Calamity(大災厄)により引き裂かれた世界で目を覚ました少年は、断片化した世界を何かに導かれるように進むうち、うち捨てられたBastion(砦)に佇む謎の老人と出会う。砦の再建こそが大災厄から世界を取り戻す鍵であると語る老人に促され、少年は砦を復元するための水晶を探す旅に出る…。

<システム>
クォータービュー視点を採用したステージクリア型のアクションRPG。謎解きや探索の要素は少なく、様々な特性を持った敵の群れを相手に多様な武器で戦うのがメインとなるため、ゲーム自体はRPGというよりも成長要素のあるアクションゲームに近い。本作の物語はキーパーソンであるBastionの老人が回顧する形で語られ、主人公の些細な行動(特定の武器で敵を倒す、など)までもがナレーションで解説されるDynamic Narrationシステムが特徴的である。

<プレイ所感>
非常にボンヤリした雰囲気のゲーム。上記解説の通り、なかなか本格的なクォータービューのアクションゲームに仕上がっているんですが、気持ち悪い世界観の印象が強すぎて、何をやっててもいまいちスッキリしません。まあ、本作の場合はそれが持ち味であって、このモヤモヤ感を楽しむのがメインディッシュであるとも言えるわけで、そういう雰囲気が好きな人なら多分気に入るはず。少なくとも私は気に入りました。

ということで、本作の見どころは世界観に七〜八割方あると思われるわけですが、残念ながら本作は一切日本語化されていないんですね。ただでさえ分かりにくい世界の背景が余計に分かりにくくなってるので、魔法の国に迷い込んだモクモク村のけんちゃんの気持ちで頑張りましょう。ただし本作にキューちゃんはいません。

本作の物語は、全編がBastion再建を目論んでる爺さんの視点で語られます。なので、プレーヤーは主人公に感情移入する間もなくいきなり崩壊後の世界に放り出され、渋い声のナレーションが無表情に語る断片的な情報から、徐々に世界観を構築していくことになります。まぁ、ぶっちゃけてしまうと「セカイ系」のストーリーテリングですな。具体的な名前のある人たちが死んでる事実が淡々と語られてるのに、何が起きて死んだのかがいまいちハッキリしないなど、不安の霧がかかったようなモヤモヤ感は最初から最後までずっと付きまとってきます。

ゲームとしての構造は、「防御が大切な斜めのゼルダ」みたいな感じで、さほど特筆することはありません。武器は迫撃砲が強力だけどクセ強すぎな以外は、概ねどれも目立った弱点はなく、近接武器と遠隔武器の組み合わせで持っていれば、ほぼ全てのシチュエーションに対応可能です。これは「捨て装備がなく、違う装備で何周も遊べる」と見ればいいことですが、「武器選択による戦略性が乏しい」とも言えちゃうので、一長一短かなと。

作品としてのボリュームは、XBLAであることを考慮すると丁度いいくらい。その気になれば1日で終わらせるのも難なく可能です。個人的にこれはRPGではなく面クリ型アクションだと思っているので、一般的なRPGのように長時間ダラダラやるタイプでないのはむしろ好印象。

と、こんな感じの作品です。一般的なARPG的作品を求める人の期待には添えないかもしれませんが、不思議な世界観と良質のアクションを含んだXBLAとしては、十分に遊ぶ価値のある作品だと思います。

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