2011年8月23日火曜日

From Dust

販売形式:XBLA
ジャンル:パズル/テーブル ストラテジー 雰囲気ゲー その他(ゴッドゲーム)
マルチプレイ:なし
備考:特記なし


<概要>
流浪の部族が祈祷によって生み出した「Breath」という謎のエネルギー体を操り、祖先の残したトーテムを辿りながら約束の地へと向かう人々の手助けをする、通常とは別の意味での「箱庭ゲーム」。

<システム>
基本的な目的は、マップ上に配置されたトーテムの全てに人間を到達させて村を完成させ、次の世界に続く門まで人を導くこと。具体的には、プレイヤーが操る「Breath」が持つ砂や水などの運搬能力を利用して、海に砂の橋をかけたり、進路を塞いでいる川の流れを変えたりすることで、トーテムや門に到達可能にすることである。物語に沿ってじっくり進めていくストーリーモードの他に、チャレンジモードという短期決戦型のパズル的なモードも存在する。

<プレイ所感>
ポピュラスなど、いわゆるゴッドゲーム(神様なりきりゲーム)と言われるジャンルの新作です。
技術の進歩というのは恐ろしいもので、正直、予告動画でこのゲームの映像を見た時は、「こんな凄いのが実際のゲーム画面のはずがない」と思っていましたが、予想に反してそのままのクオリティのが出てきてしまった、というのが本作をプレイした第一印象。流体の物理演算で作られた激流なんかは、もう見てるだけで楽しいというレベルの完成度です。しかも、それを自分でいじくったりできるわけで、こういうのが好きな人には堪りません。

とりあえず、百聞は一見に如かずということで、まだゲーム画面見てない人は、上の動画を見といて下さい。ついでに、水の挙動なんかがより分かりやすい技術デモの映像も貼っておきます(実際のゲームとは少し違うこともやってますが、こういうことができる場面もあります)。

ゲームの目的自体は上に書いた通り極めて単純明快で、トーテムに人をやって村を作り、気が済んだら門に人を連れて行くだけ。ただし、行く先々で激流が道を塞いでたり、トーテムが溶岩の流路の真ん中にあったり、トーテム自体が水没してたりするので、そう簡単にはいきません。水の逃げ道を作った上で砂を盛って川を曲げたり、溶岩を必死で止めつつ村を避難させたり、先を読んで世界を御してやらんとダメなわけです。物理演算がここまでゲーム性に密着してる作品も珍しい。

で、せっかく作った村も、浸水したり火あぶりになったりするとあっという間に壊滅するので、水も火も極力遠ざけたいわけですが、マップによっては定期的に大津波が発生したり、村から広がる植物が導火線のように火事を引き込んだりするので、砂を盛ったり水をかけたり程度ではなかなか対処しきれません。また、どうあっても曲げようがない激流なども中には存在します。そこで、本作には魔法のようなものが幾つか設定されています。魔法は大別して2種類あり、片方はマップのどこかに配置された石碑から知識を得て村に持ち込む「水/火よけの知識」、もう片方は特定トーテムに村を作ると使える「トーテムパワー」です。

水/火よけの知識は非常に強力かつ永続的で、水よけを手に入れた村は水没しそうになっても水が勝手に避けていきますし、火よけは山火事どころか溶岩すら寄せ付けないので、両方とも手に入れた村はもう無敵です。ヤバい火山や大津波警報の出てる地域では真っ先に手に入れたい。というかそういうステージでは手に入れないと村が死ぬので急いで手に入れないとダメ。

一方のトーテムパワーは必要に応じて自分で起動する一時的な力で、水がゼリー状になって流れなくなる、Breathの吸い込める砂や水の容量が大きくなる、砂を無限に吐き出せるようになるなど、これまた有用なので上手に使いたいところ。村が壊滅しない限り、リチャージすれば何度でも使えるのでケチる必要なし。Breathの容量増大と無限砂を同時起動して凄まじい量の砂を吐き出すとか、津波の起きた瞬間にゼリー化して津波を沈静化するとか、そういう裏技っぽい使い方もあります。また、最後のステージのトーテムパワーはとんでもないので、ぜひ自分の目で見てみてほしいところ。

まーグダグダ説明しましたが、とにかく「凄い」という言葉のピッタリくるゲームですし、XBLAだから体験版もあるので、とりあえず四の五の言わずやってみろということで。

あ、難度は最初高めに感じますが、慣れるとストーリーモードは楽勝になります。チャレンジモードは一部やり方が分かってても難しいものがあり、結構根気が必要。

2011年8月22日月曜日

de Blob 2

販売形式:海外パッケージ
ジャンル:アクション 箱庭
マルチプレイ:オフラインCOOP
備考:シリーズ作品(de Blobシリーズ)

<概要>
色に満ちた平和な都市プリズマシティに突如広まった反色彩を訴えるカルト宗教。その教祖パパ・ブランクは、以前クロマシティの脱色支配を主人公ブロブに阻止された軍事企業インキーコーポレーションの総裁、ブラック会長だった。インキー社に支配されかけたプリズマシティを救うため、ブロブが再び立ち上る。コミカルで明るい雰囲気を持った三人称視点アクションゲーム。

<システム>

複数の小規模箱庭を順にクリアしていく形式のプラットフォーマー型アクション。本作の基本的な流れは、主人公ブロブを操って色を吸収し、敵や仕掛けの処理をしつつ建物に着色していき、最終的に町の全域を色で埋め尽くすことである。プレイ感覚は箱庭系と一般的プラットフォーマーの中間に近く、ステージクリアまでは一本道で、クリアすると様々なサイドミッションが発生する。ミスに対する救済措置が多いため難度は低めだが、求められるアクションのレベルは低くない。


<プレイ所感>
触れることで対象を自分色に染められる特異体質の主人公ブロブを操り、脱色された街を色と活気に溢れた元の姿に戻していく「3Dアクション塗り絵ゲーム」です。

本作のプレイの大半は、建物に触れて色を付けていくという地味な作業ですが、灰色のいかにも生気のない風景がド派手に変化していく上に、色を塗る時にBGMに合わせたサウンド(色によって楽器が違う)が鳴るので、案外退屈することなく塗っていくことができます。まあ、全年齢対象らしく全体的に難度はやや控えめ(言うほど簡単ではない。特に終盤は戦闘の難度がかなり上がる)で、あまり延々とやってるとさすがに飽きるので、1日1ステージくらいのテンポで遊ぶのがよいのではないかと。
ちなみにメインのミッションが終わると、ほとんどのステージは自由散策モードになって、時間を気にせず探し物とかできるようになりますが、一度終わらせると次はまた最初からやることになるので、実績とか狙ってる人はしっかり自由散策しとくのをオススメします。

本作のキーになってる「色」ですが、原色の赤青黄、2色混合の橙紫緑、3色混合の茶という7種類が存在し、特定のスイッチ・敵・建物には特定の色が要求される場合があります。また、敵を倒すとか箱を壊すといったアクションにも色が必要だったり、吸収している色素の量が体力と兼用になっている(水洗いした場合は色だけ落ちて体力は残る)など、とにかく色がないとこのゲーム話になりません。なお、7色もあるということで、街も自分好みの配色にしたくなりますが、ブロブさんは相手が未彩色だろうと彩色済みだろうと、触れたものを片っ端から染め上げてしまうため、あなた好みの配色にするのは結構面倒。

ステージのキーとなるような一部のランドマークなど一部の施設に関しては、外からカラーリングするのではなく、中に突入して仕掛けを作動させる必要があり、この時だけは3Dではなく2Dのアクションに変化します。この2Dシーンでは、3Dではコントロールが難しいタイプの仕掛け(大ジャンプや上下反転など)が多用されており、ゲーム性自体はかなり変化しているんですが、実質的には視点と移動方向を固定している以外は何も変わっていないので、やっていて全く違和感がありません。これは密かに凄い。

本作に関して1つ触れておかなければ行けないのが音楽。なんか妙にいい感じなので調べてみたら、どうもThe Bamboosというファンクバンドが生演奏で収録したものとか。少し前に嫁が必死で歌詞を探してたのがここの曲だったような気がしますが、まあ個人的なことなのでその辺はどーでもいいです。ちなみに本作のサントラはここで無料配布しています(公式配信、GameSpotへのユーザー登録必要)。

最後に、最近のHDゲームでは絶滅寸前とも言えるコミカルな世界観について。この雰囲気は元々Wii向けだったという前作の出自から来てるんでしょうが、グロゲー大好きな自分自身の嗜好を敢えて無視して言わせていただくと、今のHD機にはこういう表現規制とも日本アニメ臭さとも無縁の作品が決定的に足りてない。ESRBなら「E」、CEROなら「A」、PEGIなら「7(あるいは3)」に一瞬も躊躇いもなくなるようなこういう作品、もっとあるべきと思いません?

2011年8月16日火曜日

Silent Hill: Homecoming

販売形式:海外パッケージ
ジャンル:F/TPS アクション アドベンチャー 箱庭 グロゲー
マルチプレイ:なし
備考:シリーズ作品(サイレントヒルシリーズ)


<概要>
長い入院生活を終えて帰郷した退役軍人のアレックスは、濃い霧と異様な静けさに包まれた故郷シェパーズ・グレンの有り様に驚愕する。出会う知人たちに尋ねても、皆心ここにあらずといった様子で、何が起こっているのかはっきりしない。放心状態の母から、弟と父が失踪していることを聞かされたアレックスは、彼らの捜索を開始するが、それはこの世界の裏側への扉を開くことも意味していた…。人気ホラーアドベンチャーシリーズの5作目にして、海外スタジオが開発を手掛けた作品。

<システム>
基本部分は従来作を踏襲した作りで、複数の小規模箱庭で構成された、実質的にステージクリア型のアクションアドベンチャーゲーム。従来作よりも戦闘のアクション性が上がっており、アクションゲームの苦手なプレーヤーには少々厳しくなった。当初は日本版の発売も予定されていたが、急遽発売中止となったため、日本版は存在していない(中止の原因は不明だが、表現の過激さにより審査との折り合いがつかなかったとする説がある)。

<プレイ所感>
※360SNSで書いたものに一部加筆修正を行ったものです。


えーと、私は1と2しかやってない人間なので、シリーズの続編としてちゃんと評価するのも、シリーズの概念にとらわれずに純粋に評価するのも難しいんですが、まぁそれなりにいると思われる中途半端なファンの視点からの記載と思って下さい。文中で「従来作」とか書いてたら、それは基本的に1と2のことです。

まずはゲーム部分。
謎解きと戦闘がこのゲームのキモですが、今回は従来作と比較して戦闘のアクション性がかなり上がっています。今作の鈍器は、攻撃力低い代わりに隙がないナイフ系、攻撃力もリーチも隙も大きい斧系、その中間にあたる鉄パイプ系という3系統が存在していて、ちゃんと使い分けないと結構死ねます。雑魚にはナイフで反撃の隙を与えず、大物(ボス含む)はこっちの攻撃で敵が怯まないので斧でヒットアンドアウェイ、どっちつかずなら鉄パイプという感じ。一度敵の攻撃をかわさないと全部防御してくるのやら、こっちの初回攻撃はほぼ確実に回避してくるのやら、遠距離攻撃じゃないと対処が難しいのやらもいるので、慣れないうちは大変です。

銃も同じく3種類あって、弾数が多い拳銃系、近距離での攻撃力が高いショットガン系、遠距離向きの(?)ライフル系があるんですが、何とこのライフル系は私のプレイでは1つも入手できませんでした。他の2種類の弱い方(各系統2種類あるっぽい)は強制イベントで入手できるのが、ライフルだけ違うようで。

ちなみに、武器は上記の通り結構豊富ですが、敵はかなりの数が登場してくる上に1体1体が結構強く、さらに倒してもあまり見返りはないので、可能であれば避けるなり逃げるなりするのが吉です。

謎解きも戦闘と同様にちょっと難度高めで、ちゃんと文章読んだり舞台をよく見て考えないと解けないものが多いです。中には数時間前に何気ない会話に出てきた具体的情報を使わないと解けないもの(これは解かなくても物語は進められる)や、随分前の会話で出てきた話を何となくでも覚えてないと解けないもの(これは解かないと進めない)もあったりするので、英語だからって読み飛ばしてると詰まる可能性も。まあ、最終手段として総当たりという手もありますし、最近はネット調べれば攻略情報があるんで、本当に詰まって進めなくなることはないでしょうが、物語も本作の重要な楽しみの1つなので、読み飛ばしプレイは推奨しません。

次に本シリーズで重要な「雰囲気」の再現性。
若干モデリングが荒かったり、敵へのフィニッシュムーブで動きがおかしかったりする場面はありますが、グラフィックは概ね綺麗ですし、デザイン的にはシリーズの流れをきちんと踏襲しているので、ちゃんと「サイレントヒルの1作品」としての存在感は出せてると思います。異世界への転換シーンや一部敵デザインのように、映画版を意識していると思われる部分もあり、従来作と映画版の中間くらいに位置しているような印象も。

物語は意外なくらい理路整然としていて、サイレントヒルらしくわけの分からん出来事が次々に起こるのに、ちゃんと「これこれこういう理由でこんな状況に」という間接的な理由は分かるようになっています。もちろん、超常現象の直接的理由はわからんままですが、「なんでこういう展開になるの?雰囲気いいから?でも○○は関係ないでしょ?謎展開で煙に巻こうとしてない?」みたいなモヤモヤが少ない(ないとは言わない)のは個人的に好印象。

最後に雑感を。
ここまで書いた通り、基本的にかなりよくできたゲームですが、ゲームの作りにおいて細かい粗が多少あったり、詰まり時の救済措置がないなど最近の海外ゲームにしては不親切だったり、万人向けではなさそうな印象です。ただ、雰囲気的な不気味さ(いわゆる「日本ホラー的怖さ」)に海外ホラーのグロを加え、さらにゲーム自体の難度による圧迫感が加わった作品という、わりといいところ取りのバランスではあると思うので、「いいホラーゲームはないか」と探している向きにはうってつけの作品ではないかと思います。個人的にはシリーズの中でも傑作とされる1&2よりも楽しめました。


余談
これをクリアした後に、某所の学会を抜け出して行ったゲーセンでガンシューティング版のサイレントヒルを見かけたので遊んでみましたが、いやはや何というか・・・。ホームカミングは海外開発だから銃の比重高めと思ったら、銃社会でも何でもない日本で撃ちまくりサイレントヒルが開発されてたという。つか、最近じゃ家庭用機の方がアーケード基板より描画性能高いのね

2011年8月12日金曜日

Front Mission Evolved

販売形式:国内パッケージ
ジャンル:F/TPS アクション その他(ロボゲー)
マルチプレイ:オンライン対戦
備考:シリーズ作品(フロントミッションシリーズ)

<概要>
2171年、元軍人コーネリアス・ヴェルナーの率いる武装集団によるニューヨーク襲撃事件が発生。民間ヴァンツァー開発会社のディラン・ラムゼイは、最新防衛システム「EDGE」の開発者である父が襲撃に巻き込まれたと知り、試作型ヴァンツァーでニューヨークへ急行し、連合軍と武装集団「ダモクレスの剣」の戦いに巻き込まれていく…。
スーパーファミコン時代から続く人気シリーズ、フロントミッションのスピンオフとして海外スタジオで製作されたアクション/TPS作品。従来のフロントミッションのファンと思われる人たちから「こんなのフロントミッションじゃない」と要らない子扱いされ、その尻馬に乗る形で、ゲームとしての具体的欠点を何故か書きたがらない皆さんから「クソゲー」呼ばわりされる事例が後を絶たない問題作でもあります。

<システム>
歩行戦車「ヴァンツァー」を操るロボゲーパートを主としているが、一部にディラン本人を操って戦う一般的なTPSパートも存在する。ヴァンツァーは機体パーツ、各部武装種、武装の特殊効果、外見(色ツヤ&エンブレム)を個別にカスタマイズ可能であり、高機動格闘型、高火力型、長距離戦特化型など、好みの機体を作成可能である。兵装類はストーリーの進行に伴ってアンロックされ、個別に価格が設定されているが、購入して所有する形式ではなく、合計金額が所持金以内であれば自由に組み換え可能。

<プレイ所感>
最初に私がシリーズに対してどういう接し方をしてきたかを参考までに書いておくと、
■初代:普通に楽しくクリア
■2nd:何とかクリアしたけどロード酷すぎで二度とやりたくない
■ガンハザード:面白いけど別物にしか見えない
■それ以外:やってない
ということで、正直シリーズへの思い入れはないです。なので、「フロントミッションというシリーズのことを何もわかっていない!」などの指摘には「うっせー黙ってろ」としか言えませんのであしからず。

えーと、まずはロボゲーパートについて。正直、強力だけどチート臭くて気持ち悪いし、使えたり使えなかったりで使い勝手も良くないEDGEシステムが蛇足な感じがしますが、それ以外は十分に及第点をあげられる印象です。自機の武装にはちゃんと特徴があって、「どんな場面でも結局コイツに収束」みたいなバランスブレイカー装備はないですし、スナイパーやショットガンは使ってて気持ちいいですし、ちょっと心許ないマシンガンも2丁持ちで劇的に使えるようになるし、ミサイルの飛び方もかっこいい。普通のTPSに近いクセの少ない操作方法なんで、ロボゲーの入門にはなかなかいい感じではないかと思います。逆に、複雑操作を使いこなして変態挙動をさせるのが好き、という向きには物足りない可能性もありますが、まあそこはそれ。

ただ、欠点がないかというとそうでもなくて、移動シーンがちょっと多くてダレ気味になる(ダッシュの短い機体は特に)とか、一部ボスのアンフェア感がすごい(仲間なにやってんだ)とか、大型ボスの部位破壊が全然なくて張り合いがないとか、ホバーのバックパックが重要すぎて他の選択肢ねーじゃねーかとか、まあ書き出せばいろいろと。あと、実績でお馴染みの「探し物」はちょっとやりすぎ。めんどくさいったらありゃしない。

生身TPSパートは、すっごい普通です。TPSとしての出来は平均ちょい下くらい?まあ、どれも短くて、テキトーにサブマシンガンをブッ放してれば終わっちゃうので、息抜きのミニゲームと思えば問題なし。あ、グレネードがバカスカ投げられるのはちょっと気持ちいいです。

で、本作の隠れ主役である幕間のムービー。おそらく、日本人が考えたベッタベタなストーリーとイケメン美女の設定画を海外スタッフに渡しちゃったんでしょうね。「個性の違いすぎるマッドサイエンティストが2人で共同研究したら、スイカと人間のキメラができちゃった」的な面白ーいことになっちゃってます。

まず、これが主人公ディラン・ラムゼイの設定画。文句なしのイケメンです。

これを海外スタッフがモデリングして、あちら流のカートゥーンちっくなフェイシャルアニメーションを足すと、こうなる。

・・・別に一瞬の変顔を切り出したわけではなくて、結構こんな感じです、ラムゼイさん。顔芸がなかなか達者。で、こんな感じの人が日本アニメ流のベタなストーリーを演じるわけですよ。敵も「(狂った悪役として)イッちゃってる」というより「(電波的な意味で)イッちゃってる」のが揃ってたり、任務のために熱く戦って散っていくのが犬死ににしか見えなかったり、なんかすごーく面白いです。ネタ的に見る分には十分アリで、私個人としてはもう大好きですが、まあシリーズのファンは怒るわな。

オンライン対戦はやってないのでわからんです。噂によると、ランクによる強化が結構強烈で、低ランクプレイヤーはただのマトらしいので躊躇してるのですが、誰かやってみます?

ということで、私個人の評価としては、ロボゲーパートは十二分に楽しめる出来、人パートはまぁどーでもいい、ムービーパートはツッコミを入れながら見る新時代のエンターテインメントって感じです。すっごいオススメはしませんけど、開口一番にクソゲー言う連中は信用しちゃダメっす。

2011年8月5日金曜日

Bastion

販売形式:XBLA
ジャンル:アクション RPG 雰囲気ゲー
マルチプレイ:なし
備考:特記なし

<概要>
Calamity(大災厄)により引き裂かれた世界で目を覚ました少年は、断片化した世界を何かに導かれるように進むうち、うち捨てられたBastion(砦)に佇む謎の老人と出会う。砦の再建こそが大災厄から世界を取り戻す鍵であると語る老人に促され、少年は砦を復元するための水晶を探す旅に出る…。

<システム>
クォータービュー視点を採用したステージクリア型のアクションRPG。謎解きや探索の要素は少なく、様々な特性を持った敵の群れを相手に多様な武器で戦うのがメインとなるため、ゲーム自体はRPGというよりも成長要素のあるアクションゲームに近い。本作の物語はキーパーソンであるBastionの老人が回顧する形で語られ、主人公の些細な行動(特定の武器で敵を倒す、など)までもがナレーションで解説されるDynamic Narrationシステムが特徴的である。

<プレイ所感>
非常にボンヤリした雰囲気のゲーム。上記解説の通り、なかなか本格的なクォータービューのアクションゲームに仕上がっているんですが、気持ち悪い世界観の印象が強すぎて、何をやっててもいまいちスッキリしません。まあ、本作の場合はそれが持ち味であって、このモヤモヤ感を楽しむのがメインディッシュであるとも言えるわけで、そういう雰囲気が好きな人なら多分気に入るはず。少なくとも私は気に入りました。

ということで、本作の見どころは世界観に七〜八割方あると思われるわけですが、残念ながら本作は一切日本語化されていないんですね。ただでさえ分かりにくい世界の背景が余計に分かりにくくなってるので、魔法の国に迷い込んだモクモク村のけんちゃんの気持ちで頑張りましょう。ただし本作にキューちゃんはいません。

本作の物語は、全編がBastion再建を目論んでる爺さんの視点で語られます。なので、プレーヤーは主人公に感情移入する間もなくいきなり崩壊後の世界に放り出され、渋い声のナレーションが無表情に語る断片的な情報から、徐々に世界観を構築していくことになります。まぁ、ぶっちゃけてしまうと「セカイ系」のストーリーテリングですな。具体的な名前のある人たちが死んでる事実が淡々と語られてるのに、何が起きて死んだのかがいまいちハッキリしないなど、不安の霧がかかったようなモヤモヤ感は最初から最後までずっと付きまとってきます。

ゲームとしての構造は、「防御が大切な斜めのゼルダ」みたいな感じで、さほど特筆することはありません。武器は迫撃砲が強力だけどクセ強すぎな以外は、概ねどれも目立った弱点はなく、近接武器と遠隔武器の組み合わせで持っていれば、ほぼ全てのシチュエーションに対応可能です。これは「捨て装備がなく、違う装備で何周も遊べる」と見ればいいことですが、「武器選択による戦略性が乏しい」とも言えちゃうので、一長一短かなと。

作品としてのボリュームは、XBLAであることを考慮すると丁度いいくらい。その気になれば1日で終わらせるのも難なく可能です。個人的にこれはRPGではなく面クリ型アクションだと思っているので、一般的なRPGのように長時間ダラダラやるタイプでないのはむしろ好印象。

と、こんな感じの作品です。一般的なARPG的作品を求める人の期待には添えないかもしれませんが、不思議な世界観と良質のアクションを含んだXBLAとしては、十分に遊ぶ価値のある作品だと思います。