2011年11月14日月曜日

Jurassic The Hunted

販売形式:海外パッケージ
ジャンル:F/TPS
マルチプレイ:なし
備考:特記なし



<概要>
消息不明のジェームズ・セイラス博士を捜索に来ていた元シールズのディラン、その相棒ロック、博士の娘サブリナが、バミューダ海域上空で磁気嵐に遭遇する。降下中に電磁フィールドに巻き込まれ失神したディランが目を覚ますと、そこは恐竜の闊歩する未知の世界だった…。

<システム>
基本はオーソドックスなFPSを踏襲しているが、敵としての人間は一切登場せず、ほぼ恐竜のみを相手していくことになる。本作の特徴として、短時間だが時間の経過をスローにしつつ敵の重要臓器の位置を透視できる、アドレナリンバーストという特殊能力が存在する。本作でもヘッドショット(正確にはブレインショット)が存在するが、敵が恐竜である関係上、ヘッドショットの命中判定は小さく、むしろ敵の心臓を貫くハートショットが戦術の基本となる。
なお、本作は北米版しか存在せず、またリージョンロックがかけられているため、日本版の本体でプレイすることはできない。(体験版は可)

<プレイ所感>
超マイナー作品の誰得レビューということで、当ブログの本領発揮です。これ、発売が発表されたのって発売日の2週間前だったこともあって、期待が醸成されるでもなく、ふと恐竜好きの目に留まって紹介されるでもなく、業界の片隅でひっそりと産み落とされた感じの存在なんですよね。まさに空気。でも中身は決して悪くないんですよ。

本作の開発を行ったのはCauldronという会社。すごい見覚えがあるロゴだったので、何を作ったところか調べたら、Soldier of Fortune: PaybackとSecret Serviceでした。あとCabela's Dangerous Huntsとかも作ってるようで、多分本作の内臓ショットはこの辺のハンティングゲームからのアイディアでしょう。結果的に、素早い上に脳みその小さい恐竜にも狙いやすい弱点が出来ていて、このアイディアは成功だったと言っていいと思います。

上にも書きましたが、本作の最大の特徴は、敵に人間が1人もいないこと。本作みたいなコンセプトのゲームって「恐竜との壮絶な戦いが!」とか言いつつ、結局銃を持った悪党が登場して、最終的には銃撃戦の合間におつまみのごとく恐竜戦、みたいになっちゃうことが多いんですが、本作はもう最初から最後まで恐竜、恐竜、恐竜のオンパレード。違うのはサソリが大挙して出るシーンくらい。この潔さはすごく好感度が高いです。

プレイ感は、安っぽいながらなかなか雰囲気が出ていて、これで廉価ソフトならめっけもんでしょう。右スティックの遅延が一瞬あるので、気になる人はスティックの感度を少し下げると遊びやすくなります。主人公がいちいち心情を口に出してうるさいのは、SoF: Paybackからの伝統なんで我慢してください。武器は好きな組み合わせで4丁持てますし、同種の武器を拾うと弾薬が大量回復したり、全弾薬(グレネード含む)をフル回復させる弾薬箱が時々あったりで、弾切れで困ることはあまりないですが、当然敵は一切の弾薬を落とさないので、お気に入りの同じ銃ばかり使ってると弾切れになることも。

敵が恐竜ばっか=ほとんどは近接攻撃型ということで、ショットガンがものすごく強そう、というあたりがショットガン大好き人間的には気になったのですが、残念ながら本作のショットガンは普通のやつはあまり強くないです。というのは、本作のメイン敵であるラプトル類って、どいつもこいつも遠距離から素早く走って来て攻撃するので、ショットガンが強力な距離で対峙する状況があまりないんですね。しかも皮膚が厚いせいか急所以外への攻撃ではなかなか死にませんし、連射やリロードの遅さも致命的。ということで、走ってくる時に顔面や胸部にアサルトライフルというのが、わりと鉄板の戦い方になります。
一方、普通のショットガンでなく終盤で手に入るオートショットガンになると、連射は利くわリロード早いわで、もはや恐竜がかわいそうになるレベルの凶器。手に入るのが本当の終盤なので、活躍の機会が少ないのが残念ですが。

本作にはマルチプレイが存在せず、キャンペーンとサバイバル(ひとりHorde)があるのみですが、キャンペーンはめちゃくちゃ短く、サバイバルもオマケレベルのものでしかないので、ゲームとしてのボリュームははっきり言って小さいです。結構楽しい上に無茶な実績もなく、頑張れば半日で全実績解除できちゃうので、実績マニア的には結構いい作品かも。

ということで、大ボリュームを遊び込む、みたいな奥深さはないですが、恐竜相手に大暴れするというメインの筋はきちんと通した作りになってる(この会社の作品はそういう傾向が強い気がします)ので、ちょっとした箸休め感覚で楽しむには結構オススメ。難点は、日本版本体では遊べないことですかね。

The War Of The Worlds

販売形式:XBLA(NAIJ)
ジャンル:アクション 雰囲気ゲー その他(死にゲー)
マルチプレイ:なし
備考:版権ゲーム



<概要>
ロンドンに突如火星人が襲来した。平凡な一市民にすぎない主人公が、離れ離れになった家族を探すため、崩壊したロンドンを駆け回る。

<システム>
H.G.ウェルズの小説「宇宙戦争」を題材にした、横スクロールアクションゲーム。主人公は一般市民であるため、絶大な科学力を有した火星人を相手にはほぼ為す術がなく、原作と同様に回避と逃避でひたすら先に進んでいくというのが基本的なプレイ様式となる。

<プレイ所感>
「洋ゲーってすごく難しいよね」とよく言われていた90年代くらいの死に覚えゲーの現代版です。開始して三歩歩いたら見えにくい地雷で死に、ジャンプで越えようとしたら踏み切りタイミングを間違って死に、上手く飛び越えた直後に罠で上半身吹っ飛ばされて死に、飛び越えてすぐ前転して罠回避したら崖から落ちて死に、みたいなあれ。さすがに本作はそこまでは死にませんが、近年のゲームでは珍しいほど潔くアッサリ一瞬で死にます。ゲームのバックで小説の朗読みたいなナレーションが入るんですが、ハマりポイントのは暗記しちゃうくらい。

と、ここでもう「パス」な人は多いと思いますが、そういう死に覚えゲーを1つのジャンルとして考えた場合、本作はなかなかの良作だったりします。小説の挿し絵が動いてるような雰囲気タップリの画面や誰もが認める傑作の世界観といった「雰囲気ゲー」としての秀逸さに、心が折れそうで折れない絶妙なチェックポイント配置や途中で手に入る武器によるささやかな爽快感といったゲーム的要素が加わって、こういうタイプのゲームが大丈夫な人であれば、最後までストレスなくストレスでやめることなく完走させるだけの魅力になっています。いや、死ぬ場所では本当に何十回も死ぬんで、ストレスでやめちゃう人も少なからずいると思いますが。特に敵の攻撃で壁破らせるシーンは、いまだにどうやって突破したのかよく理解できてなかったり。

ということで、思いっきり人を選ぶゲームではありますが、何はともあれ原作知ってる人なら一見の価値はあると思いますんで、買うかどうかはさておいてデモ版だけでもやってみてください。

ちなみに、本作には「最初から始めて死なずリスタートもせずに一気にクリアしろ」という無茶な実績があります。多分、解除不能とか以外では最も解除が難しい実績の1つ。